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贅沢な時間 [こんなことあんなこと]

転居してから10か月が経とうとしている。
よく「慣れましたか?」と聞かれるたびに、うーんと考え込む。
「慣れた」というのは「戸惑いがなくなった」ということだろうかと思うのだが、この1年半、ずっとステイホームしているので、戸惑う機会も迷う機会もほとんどないのである。
何しろ外出と言えば、2日ごとに隣のスーパーと往復するくらいなものなのだ。
これを「慣れた」といっていいのだろうか。

家の中は、引っ越す動機ともなった、物が部屋にあふれかえっている状態とまではいかないものの、何年も住んでいるような生活感があふれてきた。

新しい日常といえば、かかりつけのお医者さんと美容院。
結局、内科は近くの医者に変えたが、歯医者さんはもといた文京区まで通うことにした。
そこに通い出す前は、歯医者といえば、虫歯になったり、詰め物が取れたりしたときに、ちょこちょこッと直してもらうだけだったのだが、今の歯医者さんは、月1回、ものすごく丁寧にお掃除してくれて、歯や歯茎が痛くなることもなくなったからだ。

問題は美容院だった。
近くの美容院に2度ほど通ったのだが、毎回違う美容師で、出来上がりも満足のいくものではなかった。
それで、歯医者同様、もとの美容院に戻ることにしたのだが、担当してくれていた男性の美容師さんが7月くらいに独立して、新しく美容院を開いたのだ。

根津の静かな住宅地に建った、2-3階が住居の小さなお店。
完全予約制で、椅子も一つ。
助手も雇わず、すべて一人でやっている。
最初に地図を見ながら行ったときには、少し道に迷っていたら、美容師さんが店から探しに出てきてくれた。

先日、3回目だったのだが、シャンプーしてもらっていると、しみじみ「なんて贅沢な時間だろう」という感動が沸き上がってきた。
何しろお店の外も静かだが、美容師さんもこちらが話しかけなければ、ずっと静かに手を動かしていてくれるのだ。
あとは、落ち着いた音楽が流れているだけ。

今までのお店には若い男女の美容師さんがたくさんいて、お客と結構話が盛り上がって、時々静かにしてくれないかなあと思ったこともあったし、実際、そうお願いしたこともある。

指名制で、カットやパーマなどのメインの施術は、決まった美容師さんがやってくれるのだが、シャンプーやセット、カラーリングなどは、若い人がやってくれ、指名の美容師さんはその出来上がりをチェックし、仕上げをする仕組み。
いわば、分業と流れ作業なのだ。
これまではそれが普通だと思ってきた。

だが、1人の美容師さんがすべて自分にかかわってくれる。この時間と空間が私のためだけにある。なんという贅沢感。

落ちた髪の毛を集めるのもその人がやってくれて、申し訳ないような気持ちさえする。

そう感じて、思わずそのことを言わずにはいられなくなり、伝えたら、意外だったようで、美容師さんも驚いて喜んでくれた。

そうなんだよなあ。チームもいいけれど、一人の人にじっくり世話してもらうって気持ちが良いものなのだ。
新しいスタイリッシュな店のあしらいもあったと思うが、何より自分が大切に扱われているという感じが良いのである。

考えてみたら、歯医者さんも一人でやっていて(受付の人も、歯科衛生士などもいない)、その時間は1対1の時間なのだった。

私がこうした場所を選んでいるのは、癒してくれる場所だからなんだなあと思う。












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ごめんなさい [こんなことあんなこと]

またまたブログの更新が途切れて、7月が完全にすっ飛んでしまった。8月ももう終わりだ。
どうかしたんじゃないかと心配されてしまった。ごめんなさい。
いつも言い訳ばかりだけど、今回もまた。

どういうわけか原稿の依頼が重なって、それもドカーンと重たいやつ。
一つはコロナ禍の今に向けた一般書の依頼。
こちらは今、ゲラ刷り原稿の構成の最中。
もう一つは、雑誌の特集の企画編集。
雑誌の方は、執筆依頼が一通り完了して、自分の担当を構想しているところ。
特集記事の依頼は受けたことは何回もあるけれど、企画編集というのは初めて。
編集委員会の偉い先生たちとの編集会議も、東京駅八重洲口のビルの会議室で。対面とオンラインのハイブリッド式で行われた。
お弁当は出たけれど、集まっての会食は躊躇われたので、持ち帰った。

そんな中、雑誌の原稿依頼が来て、そちらは来年の春に延ばしてもらった。

少しは違うことを書こうと思うのに、いつもおんなじことになってしまうのは我ながら情けない。
インプットが減ってしまったせいだと思う。
人と会わないし、いろいろな情報が入ってこない。
結局ネット情報になってしまう。

ただ、最近新しいテーマの講演依頼があった。
「テレワーク疲労」

ブログで『スマホ脳』の感想を書いたり、雑誌に「Zoom疲労」のことを書いたりしたためだ。
どちらも自分の日々の体験からの関心事だったのだが、内容的には主に海外の論文を読んでまとめたもの。
自分で研究しているわけでもないのに、学会講演なんていいのだろうかと躊躇したのだが、断り切れなかった。

そんなこんなで、ついついブログへのアウトプットも減ってしまった次第。
FaceBookの方は毎日、何かしらアップしているのだけれど、『スマホ脳』でも指摘されている通り、ネットで得た内容は記憶に残らないというのは、本当だ。

FaceBookに限らず、このブログの記事も、過去にさかのぼってみてみると、「へ~こんなこと書いていたっけ」と自分で感心するなんてことが多いのだ。
読むだけでなく、自分で文章を書いているのに、記憶に残らないというのは、どんなもんだろう。
特に英文の文献は、読んだときはへ~っと思って読むのだが、それっきり忘れてしまうことが多い。
コピーした紙の山を時々整理して、あったあったこんな記事と懐かしく思ったり、初めて読むような気持になったり…。
それで、もう一度大事にしまい込む(紙の束になる)。
これってただの加齢?それとも認知症?

漢字がすぐ書けないというのは顕著な変化。
実際に手を動かして文字を書くほうが、覚えられるということなのだが。
名前もそうだ。外国人の名前なんてほんとにすぐには出てこない。
パズルを考えるみたいにして、いろいろ自分にヒントを出してみて思い出す。
ネット検索も便利。(でもこれはすぐ忘れる悪循環)

ブログには書いていないけど、書こうと思っている本だけは溜まってしまっている。
そうなると、かえってどの本から取り上げようかと迷ったり、いざ書こうと思っても、今度は時間が経ってしまってストーリーを細かく思い出せなかったり…、トホホな毎日が続いている。

というわけで、なんだか言い訳を書いてお茶を濁しているだけのような気もするけれど、今日のブログはとりあえず完了。(ゲラの校正が待っている…)
次はいつアップできるだろうか。
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餅は餅屋を再度学習 [こんなことあんなこと]

このところ、またまたブログの更新が延び延びになってしまって、具合でも悪いのかと心配されてしまった。

そんなことはなく、おすすめブックスもあるのだけれど、またまた雑用に追われて…。
いったん引っ越し後の整理が一段落した(とにかく中につめ込んだ)と思っていたら、早々と夏日なんてのがやってきて、衣替えをしなくてはならなくなったのが、事の発端。
冬物をしまおうとしたら、これがとてもかさばって、入りきらないのだ。
また、夏物もとりあえず突っ込んだだけだったので、春先の服と盛夏の服がごっちゃ。
結局、部屋が冬物と夏物の服でまたまたカオス状態に舞い戻り。

この数か月で「収納を増やすより、物を捨てるべし」と学んだはずだったのだが、とうとう新たな収納棚を購入することを決意、ネットで注文した。
組み立てサービスもあったのだが、1万円以上もするので、頼まなかった。

これが間違いだった。
品物が届いて段ボール箱を開いてみると、「危険なので2人で組み立てること」と注意書きがあった。
(そんなの聞いてないよ~)
たしかに、木製の棚は幅76㎝、高さ180㎝。重さは28キロもある。
どうやって持ち上げるのか…。

考えて、藍染めを習っていた母が作った大きな風呂敷を、実家を整理したときに貰ってきていたことを思い出した。形見だわね。
それを床に広げ、その上に板を並べて組み立てることにした。

上と敷の布団を包めるくらいの大風呂敷。200㎝四方くらいは優にある。
重い棚も載せたまま布をもってひっぱれば、難なく滑るように移動できる。
ありがたや。

あとは、通販で購入したかわいらしいピンクの電動ドライバーが大活躍。

説明書を見ながら、調子に乗って組み立て作業を進めていき、あとは縦にして、天板をはめればいいだけになった。

ここでも風呂敷の一辺を両手で引っ張り上げると、重い棚も難なく斜めにできて、後は梃子の原理でちょっとの力で立たせることに成功!
厚手の綿の風呂敷は摩擦係数が高くて滑ったりしないので、実に楽々と作業ができた。

ここまでは、よかったのだ。自分をほめたい気持ち。

だが、側板の溝にうまくはまっていたはずの背板が、縦にしたら外れてしまい、天板にもうまくはまらなくなってしまった。
挙句に何度も天板のプラスねじを緩めたり閉めたりしていたら、とうとうネジの穴がつぶれてしまい、背板の上部が浮いて隙間ができたまま、どうにもならなくなってしまった。

でもなんとか棚板もはまったし、背板の隙間は本を並べて隠すことにした。

やっぱり、餅は餅屋。お金はかかっても組み立ては頼むべきでした。
そういえば、前回、パソコンのデータ移行についてそう書いたのだったね。
棚の組み立てはそんな専門家でなくてもと、甘く見てしまった。

ネットで調べたら、ネジの穴がつぶれることを「なめる」というらしい。
ゴムを挟んでみるといいらしいと分かったので、また時間のある時に挑戦してみよう。

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パソコンを変えてみた [こんなことあんなこと]

新居に引っ越してから4か月が過ぎようとしている。
早いような遅いような…。
COVID-19になってから、時間の感覚がおかしくなっているから、よくわからない。

大学の年度もほぼ終わり、学会も何とか終了したところで、
パソコンを新しくした。
これまでのパソコンは処理速度も遅くて、モニター画面もおかしくなってきていたのだ。

データ移行作業は、富士通の若いお兄ちゃんに来てもらって、すべてやってもらった。
このところ、専門スタッフにお願いすることに躊躇がなくなった。
お金で済むことなら、なんでもやってもらおう。(なんかすごい金持ちみたいじゃないか)
実際、以前は何でも自分でやると思っていたが、システムが複雑になりすぎて
私の手や頭に負えなくなってきたのも事実。

お兄ちゃんの手元を見ていると、動きのはやいことはやいこと。
やっぱり、餅は餅屋だね。

メールのアカウント設定もすべてやってもらって、うれしい。
hotmailとbiglobeとso-netにアカウントがあるのだが、
新しいメールソフトは「outlookにしますか?」と尋ねられ、「???」
確かに、いつのころからか、Outlookという文字がメールアカウント欄にあるので
なんだろなと思っていたのだ。
Outlookという文字列は以前から知っていたし、かつては使ったこともあるような気がするのだが、
Zoomでスケジューリングを行うと、自動的にOutlookの招待メールが立ち上がる。
いつも、余計だなと思いながら削除していた。

でも、Outlookでないと、メールのデータ移行ができないというのだ。
そりゃ大変。

でも、なんだかんだ操作してくれて、メールのデータをほとんど新しいPCに移行することに成功した。
すごい。
それにOutlookでメールを一括管理できて、メールの作成なども簡単だという。
ついでにbiglobeメールについても、いろいろやってくれて、2000通以上のメールを回復。
引っ越しでプロバイダーを変更したので、うまくいっていなかったのだ。

キーボードもマウスもいい感じ。
これからPCがサクサク動いて、仕事がはかどるかしらね。
ブログもサクサク更新できるといいな。

   
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驚いた!2月がまったくのブランク! [こんなことあんなこと]

ブログの更新をしないでいることが気になっていたのだが、
たまたま開いてみたら、前回のページが1月21日だったことに気づいた。
なんと、2月がなくなっている!!

1月から2月にかけて、2回目の緊急事態宣言で、これまで何とか精神科病院で実習ができていたのに、
急きょオンライン実習に切り替わった。

といっても、オンライン実習なんてやったこともないし、去年、4年生の総合臨地実習をオンラインでやって、そこそこ充実した実習になったと思ったけれど、
彼らは3年生の時に病棟実習をしているから、精神科とはどういうところか、そこに入院している患者さんはどういう人たちか、どんな生活をしているかは知っていた。
あとは、ネットで様々な情報を得て、患者さんの世界を広く知るという課題はそれなりの成果があった。

ところが、3年生は全くの白紙である。
たいていどこの大学でも、精神科での実習に入る前は、学生たちは不安をもっている。
中には、自分が担当すると患者さんを悪くするんじゃないかという恐れをもっている学生もいる。

だが、今回、難しかったのは、精神障害を抱える人への差別意識が露骨で、しかも2週間の実習をしてのちもあまり変わらなかった。
彼らの差別意識は、あきらかに不安の裏返しなのだが、実際に患者さんと接していると、
自分と違わないじゃないかということが、身にしみてわかってきて、そうすると、偏見とか差別も気づきやすくなり、それが間違っていると気づける。

ところが、いくら模擬患者とインタビューしたり、事例を自分たちで作ったりしても、結局不安はぬぐい切れないのだ。
そのあたりを指摘すると、学生はとたんに防衛的になり、攻撃的になった。
そうでなくても、実習指導をしていると、短期集中の思春期グループをやっているような気がするものだが、今回はそれがきわだっていた。
思春期というより、反抗期か?

それに、コロナのせいで家族がメンタルな問題をかかえていたりする学生も複数いて、
彼らが抱えている問題の大きさも影響していたかもしれない。

そんなこんなで頭も体もクタクタだったことが、ブログの更新を遅らせた一つの要因。
さらに、そこにいくつかの原稿が重なったこともあって…
今は、確定申告の書類づくりのためのレシート集めなどでおおわらわ。
なにしろ、書類の山の中に領収書としてとっておいたはずのものが消えてしまっているのだ。

ああ、どうすりゃいい?

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インターネット漬けの毎日 [こんなことあんなこと]

年明けに緊急事態宣言が発令され、これまでせっかく松沢病院で実習を受け入れてもらえていたのに、オンライン実習に切り替えられることになった。

昨年の最初の緊急事態宣言のときも同じくオンラインになったが、すでに精神科病院での実習が済んだ4年生の総合臨地実習(3週間)ということで、
自分の関心のあるテーマについてネットサーチをしてプレゼンしたり、オンライン体験グループをやったりして、予期した以上に成果が感じられた。

今回は未実習の3年生で、精神科病院がどういうところか、そこに入院している患者さんがどのような人たちなのか、想像もつかない学生たち。
学生も大変だが、指導する方も大変。

それに、朝の10時から12時、午後も13時から17時ごろまで、Zoomとつながっている。
2週目に入り、2日目からは学生の個人ワークやグループワークの時間は、教員は入らないでよくなって、自分の仕事ができるようになって、ちょっとほっとしている。

おまけに、画面の顔が真っ黒けにならないように、ずっと遮光カーテンを引いているので、何日も日を浴びずに、座りっきりでいるので、骨粗しょう症になるのではないかと心配になる。

そんなとき、アンデシュ・ハンセン著『スマホ脳』(新潮選書)という衝撃的な本を読んだ。
著者はスウェーデンの精神科医である。
原題は、『スクリーン脳』。
スクリーンとは、スマホだけでなく、タブレットもパソコンも含めてのデジタル画面のことを指す。

要は、「人間の脳はデジタル社会に適応していない」という内容だ。
スウェーデンでは大人の9人に1人が抗うつ薬を服用しているらしい。
日本同様、スウェーデンでも、人の睡眠時間が短くなっているという。
それがスマホなどのデジタルツールのせいだとしたら…。

日本でも、今やスマホ依存外来などを設置している大学病院もあるようだが、
なぜ、人はスマホを手放せないのか。

たしかに、レストランでおいしい食事をしているはずの家族づれやカップルが、話もせずに互いにスマホやタブレットに見入っている光景はよく見る。

大学でも、授業中はスマホを禁止していたのだが、今では机の上に堂々と出していて、講義で聞いたことについて、すかさずスマホで検索しているのだ。研修会でも、けっこうスマホですぐ調べて教えてくれる参加者がいる。

私も、検索したくなる気持ちはわかる。
メールが届いていないか、着信音がすると、すぐに確かめたい。
フェイスブックに何か記事を書きたい。書いたら、「いいね」やコメントが返ってこないかと気になる。
今や、WHOも「私たちはウィルスの感染拡大(パンデミック)に付随して、インフォでミックにも襲われている」と警告しているそうだ。

でも、なぜなのか。

それは、人間の脳の仕組みと関係しているというのだ。
人間の脳は、危険から身を守るために進化してきた。
そのため、もともと新しい情報を求める性質があるのだという。
そして、検索してすぐに新たな情報が出てくると、ドーパミンの分泌が促される。
つまり、スマホは私たちの最新のドラッグだというのである。

長い人類の進化の歴史から見ると、あっという間にこれほどのデジタル技術の進化があり、危機に対応すべく組織されてきた脳神経や免疫などのシステムが適応しきれなくなっているというのだ。

スマホがあるだけで、人間の集中力は下がり、記憶力も落ちる。
たしかに、こうやってブログで記事を書いていても、意外と書いた内容について覚えていないことが多くて、自分で過去のブログを読み直して、初めて読んだように面白いと感じることがあるのだ。自分が書いたものなのに。
年相応に記憶力は若干落ちてはいるが、それほどとは思えないのに、不思議だった。

手書きでメモしているより、デジタルな記録の方が記憶に残らないらしい。
保存したら安心して、何を保存したかを忘れてしまう。でも、どこに保存したかは覚えているらしい。

なので、スウェーデンでも子どもたちのIQが下がってきているというのだ。これまでは、年々上がっていたというのだが。
あと、感情知性も低下しているというのが怖いところだ。
人の気持ちがわからない。発達障害が増えているのも、ひょっとしたらSNSの影響かも。
トランプがあれほど多くの人を引き付けるのも。

だから、スティーブ・ジョブスは自分の子にiPadを持たせなかった。

それを考えると、日本はIT化が遅れていると嘆いているのは、とんだ勘違いかもしれない。
コロナを機に、小学生からパソコンやタブレットを一人に一台もたせる学校が、日本でも出てきていると聞いた。
それは、子どもたちにドラッグを与えているようなものだとしたら、空恐ろしい。






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新しい生活をオーガナイズすること [こんなことあんなこと]

新居での新年。引っ越しして1か月。
天井まで積み重ねられた130個近くの段ボール箱を1個1個片づけていく作業は、新生活をオーガナイズするという表現がぴったりの作業であった。

最初は、途方もない作業だと思っていたが、徐々に床が見えてくると、ここが住処になるのだという実感がわいてきて、今は残るところ3箱までに減った。
何しろ、空になった段ボール箱のテープをはがして、つぶして、数個ずつ束ねて十文字にひもをかけて、1階のごみ収集所まで運んでいくというとてつもない力のいる作業を、クリスマスも誕生日の大晦日も元旦も関係なく、一人でやりとげた。
この年でよく頑張ったと思う。

でも、それは単純作業であったから、成果も見やすく、達成感も得られた。
問題は出した荷物をどこに収納するかであった。
新居として選んだキーポイントは、クローゼットや廊下の収納棚がたくさんあるというところだった。

だが、それが大誤算だったのだ。

前のマンションでは、納戸と化した5畳ちょっとの部屋にウォークインクローゼットがあり、布団と衣装箱がつまっていた。
さらに本棚2台と大きめのスチール棚が2台にハンガーラックがあって、掃除機やら使わない電化製品なども入れてあり、納戸というより倉庫だったのだ。
この収納力を単なるクローゼットや収納棚に置き換えるのは、土台無理があった。
狭い棚に何をどう積み重ねれば、最大数収まるか、まるでパズルのように、出したり入れたりしながらしまっていったが、結局、布団など、多くの物を廃棄処分にするしかなかった。

しかも、勘定に入れていなかったのが、書斎兼寝室だった部屋の床に積み上げられた資料や書類の束。横になったものを縦にして、しまい込むことの難しさ。
ま、これで引っ越さなければと思ったのだったのだが。

結局、今も最後まで片付かずに残っているのがこれだ。
横になっているものは片づけるのが難しいと悟った。
百均で購入したtA4の書類が入るトレイやかごの類は、何が入っているかわかりにくいし、
積み重ねると、ほとんど用をなさない。
タックシールを貼るにも、いちいち中身を点検して分類しなければならない。

ただ、これをやっていると、すっかり忘れていた写真やらメモやら手紙やらが出てきて、ついつい読みふけってしまって、ぜんぜん捗らない。
東大闘争時代の日記なんてものが出てきて、読むだにこっぱずかしい内容が書いてある。
若気の至りというものである。

海上寮でのグループや患者さんの記録もあって、当時を思い出しては感慨にふけってしまった。

ケンブリッジのフルボーン病院で半年間研修した時の、資料の数々は、とても捨てられない。
なにしろ、当時はコピー機なんてものが身近になかったので、読んだ本や資料を手書きでノートに書き写していたのだ。

あと、海上寮では掲示板グループというのがあって、週一回、管理棟の廊下の壁にかけた掲示板の掲示物を患者さんたちと作りなおしては貼りだす活動をしていた。
英国に行ったときにも、そこに毎週のようにイラスト付きの手紙を送って,「英国だより」として貼りだしてもらっていたものが残っていた。
毎週これが掲示されるせいで、私は英国には行っていないと主張する患者さんもいたらしい。
ある若い女性患者さんは、院内の喫茶店で働いていたのだが、私が6か月休むんだから、自分も6か月休むと言って辞めてしまったと聞いたことも思い出した。

そんなこと、あんなことを思い出しながら、つい手が止まってしまうので、床の上は整理されない紙類が散乱したままだ。
これが片付けば、本当に新居での新生活が始まるのだが…。いつになるのやら。







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ホテル暮らし [こんなことあんなこと]

千駄木のマンションを引き払い、新居近くのホテルに移って10日目。
入居できるまであと3日(2泊)。

今年開催されるはずだったオリンピックのおかげで、長期滞在用のコンパクトなホテルがここ周辺にもたくさん新築され、仮住まいはすぐ見つけることができた。

おまけに新型コロナのおかげで(というのも不謹慎かもしれないが)、空室が多く、
おまけにGoToトラベルキャンペーンのおかげで、宿泊費も格安で、しかも地域のお店で使えるクーポン付きで、1泊3000円弱で宿泊ができた。

2年前に建ったばかりという全国チェーンのホテルのシングルの部屋は、ベッドもセミダブルで寝心地がよいのだが、まさに寝るためだけの部屋という感じ。

まず、ここに長期滞在するために必要不可欠の、旅装を解いて荷物を収納するドレッサーなどがない。
スーツケースにすべての荷物を入れたままにして、いちいちそこから取り出している。
何をどこにいれたか、1,2日は探し物で明け暮れた。

次に、部屋に内線電話がなく、フロントとのやり取りは自前の携帯電話を使う。
確かに、今はそれぞれ携帯かスマホをもっているので、フロントを通さず連絡を取り合える。
だが、仮住まい中、大量の原稿校正の仕事をかかえて、原稿をホテルあてにゆうパックで送ってもらっている私としては、いちいち電話で問い合わせたり、連絡をもらったりするのは不便で仕方がない。

さらに、仕事の面でいえば、壁に向いた小さなデスクがあるだけで、しかもそのデスクには、中国製の電子レンジが横向きに置かれている(しかも、これ、使うときにはターンテーブルがガタガタ音を立てて回り、今にも壊れそう)。
しかも、バスルームにコンセントがなくて、このデスクの上にドライヤーが置かれているので、リモートミーティングをするためにノートパソコンを開くスぺースを確保するのがやっと。
なのに、デスクの前の壁面には、ほぼデスクの幅の大型テレビモニターが。
40インチはあろうかというモニターが鼻の先にあるかたち。
全画面を見ようとすると、のけぞらなくてはならない。いつも画面の下辺を見て、音だけを聞いている。

さらに、座る椅子は、デスクの下に収納された小さな座面のスツールが1脚あるのみ。
背もたれなどもないので、これに座ってwebミーティングをしていたら、腰が痛くなってしまった。
高さも合わないので、パソコン仕事をすると手首や上腕もがちがちになる。

でも、コインランドリーもあるし、隣がドラッグストアとコンビニなので、便利ではある。
でも3度3度、食べるものを考えてや水などを買っておかなくてはいけないのは面倒だし、コンビニ弁当は飽きた。

そんな中、FaceBookを通じて、都電で数分のところに住む学生時代の友達が夕食に招待してくれた。
都電は本当に便利。そんな近くにほぼ50年来の友人がいるなんて、ラッキー。
なにしろ夫婦ともども学友で、彼らの長女は私と同じ名前なのだ。
昔の写真をデジタル保存したのを見せてもらったりして、若かりし頃を思い出した。
女子3人が炬燵でマルグリット・デュラスの原本の講読会をして、フランス語を勉強している写真もあった。あのころは、楽しかったなあ…。みんなストレートの長髪。

でも、話題は将来どのように死ぬかとか、病気のことに。やっぱりなあ。

話は変わるが、都電荒川線、別名東京さくらトラムは、本当に便利。
職場の大学に行くにも、大塚駅から都電で約30分。乗り降りも階段がないので楽。
ただ、昼間でも5~7分間隔なのと、荒川車庫どまりの車両があること。
昨日もうっかりそれに乗ってしまい、その先、乗り継ぎはできないとの車内放送に呆然としてしまった。あらためて乗車賃を払って乗るならと、途中の王子駅前で降りて、付近を探索した。

大学に行くには、都電のほかにいくつかのルールがある。
一番速いのは山手線で大塚駅から西日暮里で舎人ライナーに乗り換えるルート。
でも、西日暮里での乗り換えが、いったん路上に出て歩かなければならないので、天候によっては面倒。それを回避するには、日暮里まで行って、舎人ライナーの始発に乗る。
これだと駅舎の中を移動するだけなので、楽。時間もそう変わらない。

あと、もう一つ別のルートを見つけた。
大塚から山手線で田端まで行くと、そこから都バスでなんと荒川キャンパスまで1本で行けるのだ。
舎人ライナーの駅や都電の停留所(熊野前)からキャンパスまで、徒歩で5,6分はかかるので、
タイミングさえ合えば、このルートがもっとも速いこともある。

ところが、このタイミングが難しいのだ。なにしろ、都バスが12分間隔なので。
それを知らなくて、寒風の中を10分以上待つはめに陥ったことがあった。

こんなわけで、さまざまなことを試しながらの仮住まいを楽しんでいる(と言っていいんだろうな)。
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引っ越しは疲れる [こんなことあんなこと]

ようやく引っ越しの日程が決まった。
あと1か月。
なにしろ、最後に引っ越ししてから23年も経っているので、
何をすべきかわからない。

こんな時はウェブサーチだ。
あるある。引っ越し準備にすべきことリストなんてのが、ちゃーんと作ってある。
でも、そのリストの長いこと…。
引っ越し直前にやるべきこと、引っ越し後にやるべきことのほかに
引っ越し前に余裕をもってやるべきことも、たくさんあるではないか。

ガス、水道、電気、電話、ネット、プロバイダなどの契約、保険会社の契約などなど
連絡すべきところがありすぎる…。

ケーブルTVの契約はどうすればいいんだ?
区が変わるので、違うケーブルテレビ会社になる。
で、同じようなコースがあるが見られる番組が違っている。
不要な番組もあって、その分、料金も高い。

肝心の引っ越しは、業者さんにすべてをお任せしようと思っていたら、
少しずつ荷造りするといいですよと、段ボールをたくさん持ってきた。
話が違うよ~と思ったが、100箱以上になると言われて、これは大変と
少しずつ荷造りしながら、断捨離に挑戦。

DVDや本をBookOffに売りにいき、燃えるゴミに出せない重要書類は郵便局の書類溶解サービスを利用。
これが結構、出るわ出るわ。
いちいち書類の中身を見ながら分別していると、日が暮れる。
手が真っ黒になるので、ちょくちょく洗っていると、手がガサガサ。
手が滑って、お茶碗を割ってしまった。

粗大ごみも業者が処分してくれるというが、それもお金がかかるので
区の粗大ごみに、出せるものは出しておいた方がよいという。
ところが、区の粗大ごみは、毎日出せるわけではなく、ネットで申し込もうとすると
すでに予約でいっぱい。
出遅れた...。

現在の住居を退出しても、新居はリフォームする必要があり、すぐには入居できない。
2週間弱、ホテル住まいすることになった。
たまたまgo to ナントカのおかげで、すごく安く済んだのは幸い。
コロナの自粛生活と思って、何とか耐えるしかない。
電子レンジもコインランドリーもあるらしいから、何とかなるか。
おまけにGo Toクーポンがもらえるので、食費に使えるみたい。

だが、問題はZoomを使った講義やゼミをどうするか。
昼間は職場に行けばいいけれど、大学院のゼミは社会人院生に合わせて19時から21時。
そんな遅くまで大学にいたくない。
ホテルでやるか。
でも、声が漏れないかが心配。

あれやこれや考えていると、ドキドキしてきて、早朝覚醒。
これは体力・気力の勝負だな。
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脱出した地への帰還? [こんなことあんなこと]

7か月ぶりに職場へ。
世の中Go Toナントヤラで、多くの人々が移動しているのをニュースでみながら
ほとんど自宅で過ごしていたこの7か月。
いよいよ実習が始まるというので、オリエンテーションのための出勤である。

学内に行ってみると、改装工事の真っただ中。
建物の中は化学物質の臭いが立ち込めていた。
メールで工事の工程について逐一報告があったが、
目の前に見ると、こんなに大々的に改装工事ができるのは、コロナのおかげか?とつい思ってしまった。
(本来ならば夏休み期間にやるはずが、コロナのせいで遅れているのかもしれないが)

事務で4月にもらうはずだった職員証が渡され、
古い職員証を返してくださいと言われて(1年ごとの契約なので)、
職員証ってどんなものだったっけと、うろたえる。

ようやく研究室に一歩入ると、そこは7か月前の世界。
カレンダーは3月のまま。
たくさんのプリント類が窓際で黄ばんで、カサカサと音を立てていた。
きちんと整理して、在宅勤務に入ったわけではないので、
7か月前のある日で時間が止まったかのよう。
こんなに長くなるとは思っていなかったのだ。

避難のために脱出していた人が自宅に戻ったらこんな感じか。
(実際の被災者には、このたとえは申し訳ないが)

PCを立ち上げようとしたら、パスワードが分からない。
メモを探して入力してみても駄目だ。
そこで、学内の情報管理部門まで行き、パスワードの更新をすることに。
だが、研究室に戻って新しいパスワードを入れてみたが、PCが開かない。
焦る…。

よくよく考えてみた。
そうだ、PCを立ち上げるためのパスワードと、学内のネットに接続するためのパスワードがあって、新しくしたのは、後者のだった。
(メモしてあったのはこっちで、更新する必要はなかったのだ)

PCを立ち上げるためのパスワード…。
こちらはかろうじて覚えていて、入れてみたら、ビンゴ!

これじゃ、避難民というより浦島太郎か。
やっと、時間がつながったという感じ。やれやれ。

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