SSブログ

今日は何曜日? [本のはなし]

今日は何曜日?って認知症のテストのようだけど。

朝、起きてテレビをつけると、「あさイチ」をやっていた?
あれ?今日は日曜日じゃないの?

大学も夏休みで授業がないので、曜日の感覚が薄れていた上に、
原稿の締め切りもクリアーして、すっかり気が緩んでいた。
そこに仲間の一人がコロナ陽性になって、娘さんと一緒に自宅隔離生活をし始めたので、夜中までメッセンジャーでチャットを続けていたりしていたので、すっかり日常生活のペースが狂ってしまっていた。

おまけにオリンピックとパラリンピックでテレビを見なくなってしまったことも大きい。
朝から一日中やってたからね。

それともう一つ。
佐伯泰英の小説『出絞(でしぼ)と花かんざし』(光文社文庫)を寝る前に読みだして止まらなくなって、数日夜更かしが続いてしまったことも大きい。

佐伯泰英が北九州出身の作家だということは、数年前にたまたた北九州市立図書館に立ち寄ったときに、郷土の作家たちというコーナーでたまたま知った。

彼の作品は書店に行くと書棚いっぱいに並んでいるので、否応なくその存在は気になっていたが、同郷(私が北九州を郷里と言えればだけど)だとは知らなかった。

それで読んでみようとは思っていたのだが、何せ作品が多すぎる。
しかもシリーズ物がほとんどで、何巻も何十巻もあるものばかり。
どこから手を付けてよいやら悩んでいるうちに、今に至ってしまった。
読みだして気に入ると、次から次へと読みたくなるので、ほかの本が読めなくなるのが嫌なのだ。(へんかしら)

たまたま、書店で「1冊読み切り!」と帯にあった本を見つけたので、早速購入した。
「一冊読み切り!」とわざわざ帯に書いてあるところを見ると、私みたいにシリーズ本には躊躇している読者が多いのだろうな。

『出絞(でしぼ)と花かんざし』
帯に「王道にして新境地、佐伯泰英の新たなる傑作!」とうたっているが、どこが王道で、どこが新境地かわからず、気になる。
海外ミステリなどは必ず後ろに解説がついているのに、日本の小説にはついていないのね。

あらましを説明すると。
舞台は江戸時代の山城の国、京の都。
時代小説というところが「王道」なのか。
新境地は?お侍が出てこないところなのかな。

主人公は、鴨川の源流、北山の一角にある山奥の雲ケ畑という郷のはずれの「山小屋」に生まれた女の子「かえで」。
山稼ぎ(山仕事)をしながら鴨川の水源の一つ、祖父谷川の水守をしている父、岩男とヤマという赤犬と一緒に暮らしている。
母は京の祇園の出で、かえでが物心つくかつかないうちに厳しい山里暮らしに慣れずに死んだといわれて育った。
山稼ぎをする父とヤマと一緒に山を歩きまわるかえでを見守るのは、6つ年上の従兄の萬吉。

萬吉の父も山稼ぎをしているが、三男の彼はいずれは京で修業をして宮大工になることを夢見ている。
そんな萬吉を見て、かえでもまた京に出たいと思っていた。
宮大工になるには読み書きができなければと考えた萬吉は、かえでと一緒に村長の妻の茂に手習いを頼む。

茂は祇園の出で、読み書きができたのだ。彼女はまた、同じく外者だったかえでの母を知っていた。

ある日萬吉は、かえでを京の都を遠く望める峠まで連れていき、見せてやることにした。
その帰り道、祇園のお茶屋の主夫婦と出会う。夫婦は萬吉をかえでを気に入り、いずれ京に出てくることがあれば頼ってくるようにいう。

そうこうするうちに、かえでの岩男が行方不明になり、山で死んでいるのが見つかる。
天涯孤独になるかえで・・・・

とまあ、こんな話なのだが、この萬吉とかえで。萬吉は子どもながらにしっかりとした少年で、体格も人一倍大きく、賢くて大人びている。
かえでもほうも、愛らしい少女で、年を経るうちに舞妓よりも美しいといわれるようになる。
二人とも気立てもいいので、周りの人もみな手を差し伸べたくなるのだ。
しかも、二人とも優れた能力と頑張りを見せていく。

こんな、美男美女の幼い二人の恋物語になる前のはなし。
そんな話あるか?というのは野暮なこと。
艱難辛苦を乗り越えて、二人は進んでいくのであります。

佐伯泰英がストーリーテラーとしては名高いことは知っていたが、
それはそれはテンポよく話が進んでいくので、寝る前に読むと夜更かししてしまうのだ。
さほど人間心理の裏やらひだやらの深読みはしなくてもOK。
これが大勢の読者をひきつけるコツなのか。
1冊だけ読んで評価するのは早いけどね。









nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

ごめんなさい贅沢な時間 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。