久々のおすすめブック [本のはなし]
編集者の方からのお勧めで、梨木果歩さんの『ほんとうのリーダーのみつけかた』(岩波書店)を読んだ。
昨年7月に出た本で、8月には2刷がでていた。
私はかねてより梨木さんの大ファンで、たいてい読んでいるのだが、この本の帯に「あなたの、いちばん頼りになるリーダーはだれ?」とあったので、気になっていた。
グループセラピーをやる身としては、グループのリーダーは重要関心事なので。
果たして梨木果歩さんは、だれと答えるのだろう?
そんな興味で開いてみると、表紙の裏に、こう書いてあった。
非常時というかけごえのもと、みんなと同じでなくてはいけないという圧力が強くなっています。息苦しさが増す中で、強そうな人の意見に流されてしまうことって、ありませんか? でも、あなたがいちばん耳を傾けるべき存在は、じつは、もっと身近なところにいるのです。あなたの最強のチームをつくるために、そのひとを探しに出かけよう。
身近なところにいる人? う~ん、だれだろう。
この本は、梨木さんの『僕は、そして僕たちはどう生きるか』(理論社)が岩波書店で文庫化されたのを機に、企画されたものという。
そもそも『僕は・・・』は、2006年に教育基本法が改正になり、愛国心など、個人の感情にかかわることまで明文化されたことに違和感を感じた梨木さんが、翌年に理論社のウェブページに連載したものがもとになってできた本なのだそうだ。
文庫版はこのブログでも2015年6月22日に紹介していた。
そのときに『僕は・・・』から引用していた部分を、再度ここに引用しておこう。何度読んでみてもいいところだし、今回の『ほんとうの・・・』にもつながるところだから。
人が生きるために、群れは必要だ。強制や糾弾のない、許しあえる、ゆるやかであたたかい絆の群れが。人が一人になることも了解してくれる。群れていくことも認めてくれる。けど、いつでも迎えてくれる、そんな「いい加減」の群れ。
僕はショウコみたいなヒーローのタイプじゃない。 けれど、そういう「群れの体温」みたいなものを必要としている人に、いざ、出会ったら、ときを逸せず、すぐさま迷わず、この言葉を言う力を、自分につけるために、僕は考え続けて、生きていく。
やあ。
よかったら、ここにおいでよ。
気に入ったら、
ここが君の席だよ。
『僕は・・・』は、そのタイトルからもわかるように、最近漫画にもなって話題の吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』のアンサーブックでもある。
梨木さんは、「君たち」という問いに対して、「僕は、そして僕たちは」と答えている。その意味に、遅ればせながら今回初めて気づいた。
『僕は・・・』にもよく読めば書いてあるのに。
つまり、はじめは「僕はどう生きるか」なのだ。
それから「僕たちはどう生きるか」がくる。
教育基本法の改正から15年ほど経った今、コロナ禍で人々は不自由な生活を強いられている。
強いられていると言っても、実態は強制力のない、したがって保証もない「緊急事態宣言」があるだけなのだ。
そのだれが命令しているのかがわからない中、自分の命を守るため、社会を守るためというお題目のもとに、個人の自由がないがしろにされつつある。
だが、一方でそんなことはお構いなしに、したいことをする(その権利がある)と主張する人もいる。
『ほんとうのリーダーのみつけかた』が書かれたのは、このような時だからこそ、若い人たちにも考えてもらいたいという思いからがあったようだ。
さて、リーダーはだれでしょう。
昨年7月に出た本で、8月には2刷がでていた。
私はかねてより梨木さんの大ファンで、たいてい読んでいるのだが、この本の帯に「あなたの、いちばん頼りになるリーダーはだれ?」とあったので、気になっていた。
グループセラピーをやる身としては、グループのリーダーは重要関心事なので。
果たして梨木果歩さんは、だれと答えるのだろう?
そんな興味で開いてみると、表紙の裏に、こう書いてあった。
非常時というかけごえのもと、みんなと同じでなくてはいけないという圧力が強くなっています。息苦しさが増す中で、強そうな人の意見に流されてしまうことって、ありませんか? でも、あなたがいちばん耳を傾けるべき存在は、じつは、もっと身近なところにいるのです。あなたの最強のチームをつくるために、そのひとを探しに出かけよう。
身近なところにいる人? う~ん、だれだろう。
この本は、梨木さんの『僕は、そして僕たちはどう生きるか』(理論社)が岩波書店で文庫化されたのを機に、企画されたものという。
そもそも『僕は・・・』は、2006年に教育基本法が改正になり、愛国心など、個人の感情にかかわることまで明文化されたことに違和感を感じた梨木さんが、翌年に理論社のウェブページに連載したものがもとになってできた本なのだそうだ。
文庫版はこのブログでも2015年6月22日に紹介していた。
そのときに『僕は・・・』から引用していた部分を、再度ここに引用しておこう。何度読んでみてもいいところだし、今回の『ほんとうの・・・』にもつながるところだから。
人が生きるために、群れは必要だ。強制や糾弾のない、許しあえる、ゆるやかであたたかい絆の群れが。人が一人になることも了解してくれる。群れていくことも認めてくれる。けど、いつでも迎えてくれる、そんな「いい加減」の群れ。
僕はショウコみたいなヒーローのタイプじゃない。 けれど、そういう「群れの体温」みたいなものを必要としている人に、いざ、出会ったら、ときを逸せず、すぐさま迷わず、この言葉を言う力を、自分につけるために、僕は考え続けて、生きていく。
やあ。
よかったら、ここにおいでよ。
気に入ったら、
ここが君の席だよ。
『僕は・・・』は、そのタイトルからもわかるように、最近漫画にもなって話題の吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』のアンサーブックでもある。
梨木さんは、「君たち」という問いに対して、「僕は、そして僕たちは」と答えている。その意味に、遅ればせながら今回初めて気づいた。
『僕は・・・』にもよく読めば書いてあるのに。
つまり、はじめは「僕はどう生きるか」なのだ。
それから「僕たちはどう生きるか」がくる。
教育基本法の改正から15年ほど経った今、コロナ禍で人々は不自由な生活を強いられている。
強いられていると言っても、実態は強制力のない、したがって保証もない「緊急事態宣言」があるだけなのだ。
そのだれが命令しているのかがわからない中、自分の命を守るため、社会を守るためというお題目のもとに、個人の自由がないがしろにされつつある。
だが、一方でそんなことはお構いなしに、したいことをする(その権利がある)と主張する人もいる。
『ほんとうのリーダーのみつけかた』が書かれたのは、このような時だからこそ、若い人たちにも考えてもらいたいという思いからがあったようだ。
さて、リーダーはだれでしょう。
2021-05-03 15:12
nice!(0)
コメント(0)
コメント 0