SSブログ

新しい生活をオーガナイズすること [こんなことあんなこと]

新居での新年。引っ越しして1か月。
天井まで積み重ねられた130個近くの段ボール箱を1個1個片づけていく作業は、新生活をオーガナイズするという表現がぴったりの作業であった。

最初は、途方もない作業だと思っていたが、徐々に床が見えてくると、ここが住処になるのだという実感がわいてきて、今は残るところ3箱までに減った。
何しろ、空になった段ボール箱のテープをはがして、つぶして、数個ずつ束ねて十文字にひもをかけて、1階のごみ収集所まで運んでいくというとてつもない力のいる作業を、クリスマスも誕生日の大晦日も元旦も関係なく、一人でやりとげた。
この年でよく頑張ったと思う。

でも、それは単純作業であったから、成果も見やすく、達成感も得られた。
問題は出した荷物をどこに収納するかであった。
新居として選んだキーポイントは、クローゼットや廊下の収納棚がたくさんあるというところだった。

だが、それが大誤算だったのだ。

前のマンションでは、納戸と化した5畳ちょっとの部屋にウォークインクローゼットがあり、布団と衣装箱がつまっていた。
さらに本棚2台と大きめのスチール棚が2台にハンガーラックがあって、掃除機やら使わない電化製品なども入れてあり、納戸というより倉庫だったのだ。
この収納力を単なるクローゼットや収納棚に置き換えるのは、土台無理があった。
狭い棚に何をどう積み重ねれば、最大数収まるか、まるでパズルのように、出したり入れたりしながらしまっていったが、結局、布団など、多くの物を廃棄処分にするしかなかった。

しかも、勘定に入れていなかったのが、書斎兼寝室だった部屋の床に積み上げられた資料や書類の束。横になったものを縦にして、しまい込むことの難しさ。
ま、これで引っ越さなければと思ったのだったのだが。

結局、今も最後まで片付かずに残っているのがこれだ。
横になっているものは片づけるのが難しいと悟った。
百均で購入したtA4の書類が入るトレイやかごの類は、何が入っているかわかりにくいし、
積み重ねると、ほとんど用をなさない。
タックシールを貼るにも、いちいち中身を点検して分類しなければならない。

ただ、これをやっていると、すっかり忘れていた写真やらメモやら手紙やらが出てきて、ついつい読みふけってしまって、ぜんぜん捗らない。
東大闘争時代の日記なんてものが出てきて、読むだにこっぱずかしい内容が書いてある。
若気の至りというものである。

海上寮でのグループや患者さんの記録もあって、当時を思い出しては感慨にふけってしまった。

ケンブリッジのフルボーン病院で半年間研修した時の、資料の数々は、とても捨てられない。
なにしろ、当時はコピー機なんてものが身近になかったので、読んだ本や資料を手書きでノートに書き写していたのだ。

あと、海上寮では掲示板グループというのがあって、週一回、管理棟の廊下の壁にかけた掲示板の掲示物を患者さんたちと作りなおしては貼りだす活動をしていた。
英国に行ったときにも、そこに毎週のようにイラスト付きの手紙を送って,「英国だより」として貼りだしてもらっていたものが残っていた。
毎週これが掲示されるせいで、私は英国には行っていないと主張する患者さんもいたらしい。
ある若い女性患者さんは、院内の喫茶店で働いていたのだが、私が6か月休むんだから、自分も6か月休むと言って辞めてしまったと聞いたことも思い出した。

そんなこと、あんなことを思い出しながら、つい手が止まってしまうので、床の上は整理されない紙類が散乱したままだ。
これが片付けば、本当に新居での新生活が始まるのだが…。いつになるのやら。







nice!(0)  コメント(1) 

nice! 0

コメント 1

nrktd

床が見えてよかったですね。
引っ越し屋さんによっては
段ボールを引き取りに来てくれるんだけど。
大変でしたね。

by nrktd (2021-01-24 22:24) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。