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久々のぺレス警部 [本のはなし]

6月も20日となり、もうすぐ1年の半分が過ぎていく。明日は夏至。
その後はどんどん日が短くなって夜が早く来る、ううう…

暗い季節と言えば、英国のシェトランド。やみくもな結び付け方…か。

久々に、アン・クリーブスのぺレス警部シリーズを読んだ。
昨年11月に出た『空の群像』。
TVドラマ化されたのを繰り返しみているので、どうしても役者の顔が浮かんでしまう。


最近の海外ミステリーでは、主人公が男性で、妻や恋人を失くし、残された一人娘とはうまくいかない…という設定がなぜかやたら多い。

シャーロック・ホームズもポアロもモースも独身だし、バーナビー警部には奥さんがいるけれど、料理下手で美人でもない(性差別?)。アメリカのコロンボの妻は話に出てくるだけで、決して顔は見せない。

妻や恋人があまりに強力で魅力的な存在だと、ミステリーとしてのストーリーが混乱するからかしら。
確かに論理的思考が勝負のミステリーだと、情動脳はあまり働かない方がいいかもね。ドラマではその葛藤が描かれることが多いのだけど。

ぺレス警部は、シリーズの最初の方で婚約者フランを失い、その忘れ形見のキャシーを娘として育てているが、いまだにフランの思い出に縛られている。

でも、今回は、2作前の『水の葬送』で登場したインヴァネス署のウィロー・リーブズ警部が登場して、ぺレスの人生に変化が起きそうな予感が。

ぺレス警部シリーズでは、毎回シェトランド独自の社会や文化が描かれていて、興味が尽きないのだけれど、今回はシェトランド諸島の自然が描かれる。それも、大雨による地滑り。
シェトランド諸島は北極に近いため、木登りする木さえないとキャシーが嘆くほど。しかも、平らな島であるため、地滑りが多発しているという。

本書の始まりも、ぺレスの知人であるマグナス老人の葬儀の最中に大規模な地滑りが起こり、主要な道路が寸断されてしまう。
そして、周辺の泥流に飲み込まれた空き家から、身元不明の女性の遺体が見つかるが、検視の結果、地滑りより前に殺されていたことがわかる。
身元調査は二転三転し、謎が謎を呼んでいく。

シェトランド諸島では誰もが知り合いでありながら、その裏にはみんな秘密を抱えているのだ。

そこに現れるのが、ウィロー・リーブズ警部である。二人は互いに意識しながらも、近づけないでいる。中年の恋ですね。

ところで、本書は文庫本としては分厚いうえに、字がものすごく小さい。昔の文庫本の字のサイズだ。
最近は字が大きくなって読みやすくなったのだが、
これは寝る前に読むには適さない。
おかげで読み終わるのに苦労してしまった。






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